先週に引き続き、2019年から2020年にかけて行ったオリジナルの「渋谷猫張り子」制作日記から抜粋したものの9回目をご紹介します。
※画像は当時撮影されたのものです。
これまでの制作プロセスはこちら
オリジナル作品の制作プロセス①
オリジナル作品の制作プロセス②
オリジナル作品の制作プロセス③
オリジナル作品の制作プロセス④
オリジナル作品の制作プロセス⑤
オリジナル作品の制作プロセス⑥
オリジナル作品の制作プロセス⑦
オリジナル作品の制作プロセス⑧
作品の塗装が完了して、放水 (作品の右手から水を出す)のための内部の機構を詰めていく。
水が出る仕組みを実現するために、sequence MIYASHITA PARK 18階施設側から水の配管をフレキシブルホースで作品内部に引き込み、噴水用の角度調整可能なノズルを組み込んだ。
右手の外装パーツはネジで仮固定を行い、それを外すと、ホースやノズルにアクセス出来る構造になっている。フレキシブルホースやノズルの固定、角度調整などはこの外装パーツを取り外して行う。
この「右手外装パーツを外してノズルの角度が調整できる状態」で建設中の sequence MIYASHITA PARK 18階に作品を持ち込み、放水テストを行った。現地の水の勢いやプールの着水点などをシミュレーションして、最終的なノズルの角度を決定した。まだ現地の工事は途中だったので位置と高さを合わせた仮の台座を準備してもらい、放水テストに臨んだ。
鼻や手足に緑色のテープが貼ってあるのは運び込みの際に作品表面に傷がつかないようにするため。通常は木箱に入れて作品を輸送する。ただ、今回は作品を設置する場所(テラス)に至る扉のサイズが、作品が通るギリギリの寸法だった。そのため、扉との接触の可能性があるところに、マスキングに使うシートを保護用に貼り付けた。さらにその上からエアキャップで包んで慎重に運び込んだ。
現地でのテストでノズルの角度を決定。その後アトリエに戻り、ノズルの突き出し部分をカットして、右手外装パーツも樹脂を充填して接着した。さらに表面を平滑に整え、塗装を行いシームレスに仕上げ直した。