修復作業③ 作品底部の状態を確認

次に作品底部周辺の状態を確認していく。

こちらも他の箇所と同じように、大きなラッピングの周辺部分に、帯状にカットしたラッピングを重ねて貼り付けてある。

ラッピングの上からカッターのようなもので、切れ目を入れられている。シワをとるためなのか、目的は不明だが、かなり強い力で切り込みが入れられている。

この傷は重ね貼りされたラッピングを突き抜けて、作品の塗装面まで達しているように見える。

作品を制作する際には完成時に滑らかな仕上がりになるよう、研磨や塗装を行っている。塗装の際に使うマスキングテープも、全て別の場所でカットしたものを丁寧に貼り付けて絵柄を塗装している。

※2020年、制作当時の画像 カットしたマスキングテープをレーザー水平器を使って作品に貼り付けている様子。

カッターを作品に直接突き立てる工程など、自分の作品制作ではあり得ない。ラッピングを貼る作業を行った何者かが、作品表面に無造作に幾つもの傷をつけた行為に憤りを覚える。

関連投稿

検索語を上に入力し、 Enter キーを押して検索します。キャンセルするには ESC を押してください。

トップに戻る