修復作業に入る前に、作品につけられた全ての傷に名前をつけ、傷の大きさを記録した。
作品を前面、右側面、左側面、背面の4ブロックに分け、前面にF、右側面にR、左側面にL、背面にB、塗膜剥離にSを頭文字として、各ブロックの通し番号をつけて傷の呼称とした。
傷の横に黄色い線状のマスキングテープを貼り、傷の位置が確認できるようにした。その横に長方形のマスキングテープ貼り、傷の呼称と傷の大きさを記入している。
傷の記録
前面 18箇所
右側面 20箇所
左側面 12箇所
背面 6箇所
塗膜剥離 7箇所
合計 63箇所
傷の長さ合計 11215mm (11m21.5cm)
塗膜剥離に関しては剥離部分のサイズを記録し、塗膜剥離とカッター痕が複合している2箇所は傷の長さも併せて記録した。
上記の全ての傷を撮影し画像で記録した。いつくか抜粋して掲載しておこうと思う。
作品前部 左耳の付け根周辺 耳部分につけられた傷とL2の傷が交差している。
作品右側面 右手と後頭部の接続部周辺 赤色部分に1箇所(R9)、白色部分に2箇所(R10、R11)の傷がつけられている。
作品背面 化粧まわしの中心部 彩色が複雑な部分 白、黒、赤、金をまたいで傷がつけられている。
作品右側面 右手の下部 塗膜剥離が連続して発生している。
作品右側面 右足の底部近く 傷が深く塗膜が剥がれFRPの下地が露出している。
作品右側面 右側底部周辺 傷が深く塗膜が剥がれFRPの下地が露出している。