ラッピングシートを細かく検証していく中で、様々な「文字」が記されていることに気がついた。
「MIYASHITA PARK」の文字があることは既に認識していた。
ラッピングシートをデザインした作者の名前と読み取れる6文字。
こちらが認識しているデザイナーの名前と一致。
サインは2パターン記されていた。
※個人名であるため、文字はモザイクで伏せました。
「2020→2022」
オリジナル作品の完成は2020年。改変が行われたのは2022年。
作品をアップデートしたという意味か?
「渋谷」
この文字の形態は、オリジナル作品の背面に私が描いた「渋谷」の文字に類似しているようにも見える。
※2020年、作品完成当時の画像
「sequence」
作品が設置されたのはホテル sequence | MIYASHITA PARK の18Fのルーフトップバー。
「HOTEL」
「PARK」
「RAYARD」
RAYARD MIYASHITA PARK は MIYASHITA PARK 内の商業施設。
三井不動産が手がける公園一体型となった商業施設の新ブランド「RAYARD(レイヤード)」シリーズの第一号物件。
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2020/0702/
その下には「ART」の文字もある。
「6-20-10」
MIYASHITA PARK の住所は 東京都渋谷区神宮前六丁目20番10号他 。
「SHIBUYA」
「2022」
ラッピングシートの柄に、私が読み取れる範囲でもこれほどの文字が隠されているとは、作品が手元に戻るまではわかりませんでした。
施設に関する細かい表記をするにあたり、sequence | MIYASHITA PARK 及び、RAYARD MIYASHITA PARK の所有者である三井不動産に無断改変の許可だけではなく、具体的なラッピングシートの柄についても許可をとっていた可能性が高いと感じます。
一般的に作品へのサインは、署名と制作年を記して行います。元の作品を覆い隠すためのラッピングシートに、それをデザインした作者のサインと制作年がしっかりと記されている。そこには元の作品に対してラッピングを行うことで、別の作品にしようとする “意思” があったと解釈されるのでは無いか?
無断改変に関わった関係者がどれほどいるのか、作者である私には未だに知らされていません。
ただ、シートに記された表記を読み解くと、今回の改変は、「渋谷猫張り子」がアーティストが制作した作品であることをしっかりと認識した上で、明確な意図を持って行われたのではないか。オリジナル作品の作者としてはそのような感想を持ちました。